国土交通省では平成24年に発生した関越道における高速ツアーバス事故により、貸切バス事業者の経営・労働環境改善と安全の徹底を図るため、『バス事業のあり方検討会』を発足させ、平成25年『貸切バスの安全・安心回復プラン』を策定すると共に、安全コストを運賃料金に反映させた新たな『貸切バス運賃・料金制度』を平成26年4月より実施することになりました。
新しい運賃制度の概要
【1】新運賃精度は時間と距離併用制の運賃となります。
- 距離の計算⇒車庫出庫〜配車〜運行〜降車〜車庫帰庫までの距離が積算されます。
- 時間の計算⇒出庫点検・帰庫点検がそれぞれ1時間、運行時間に積算されます。
- 最低保障運賃の設定⇒3時間以内の運行については、3時間及び出庫・帰庫点検2時間分、合計5時間分の時間制運賃を頂戴します。
- 基準運賃から下限10%、上限30%の範囲で運賃を設定することができます。
【例)大型バスの場合】
時間上限単価 7,680円、下限単価 5,310円
キロ上限単価 170円、下限単価 120円
【2】運賃以外にかかる費用(料金)
- 深夜早朝(22:00〜5:00)にかかる運行については2割増しを限度とした時間制運賃を頂戴します。
- 長距離・夜間運行における交代運転手については別途配置料金を頂戴します。
交代運転手配置料金⇒ 時間単位=下限2,130円〜上限3,080円
キロ単価=下限30円〜上限40円
- ガイドが必要な場合は別途実費を頂戴します(各バス事業者の基準による)。
- 特殊な装備を有する車両(サロンカー、リフト付バス、トイレ付バス等)は5割増しを限度とした運賃を頂戴します。
- 通行料、駐車料、乗務員宿泊代等、運行に関わる費用は別途頂戴します。
【3】法令関係
- 新運賃制度は平成26年4月1日から施行されました。
- 運賃料金事前届け出違反に対する罰則が厳正化されました。上限及び下限を越えた運賃で販売したバス業者は
初違反⇒ 20日車の車両使用停止(前制度は警告)
再違反⇒ 40日車の車両使用停止(前制度は10日車)
- 旅行業者に対する措置
運賃料金の届け出違反について、旅行業者が当該違反に関与していると疑われる場合、観光庁に通知されます。